Zabbix 1.8.5リリースノート翻訳

2011年4月15日

Zabbix SIAはZabbix 1.8.5のリリースをアナウンスすることを光栄に思います。

Zabbixはオープンソースで配布されるエンタープライズモニタリングソリューションです。ZabbixはGPLライセンスの元で配布されているため、商用、非商用問わず無償で利用することができます。ライセンスの詳細については、http://www.gnu.org/copyleft/gpl.txtを参照してください。

このドキュメントはZabbix 1.8.5のリリースノートを含みます。ダウンロードはこちらから行えます。 http://www.zabbix.com/download.php

このリリースにはZabbix 1.8.xのいくつかの修正と新機能の紹介が含まれます。新機能の概要はhttp://www.zabbix.com/documentation/1.8/manual/about/what_s_new_1.8.5から参照することができます。

Zabbix 1.8でノード構成の分散監視を利用している場合、以下のSQLパッチを実行してください。設定の同期のパフォーマンスが大幅に改善されます。

MySQL:
DROP INDEX node_cksum_cksum_1 ON node_cksum;
CREATE INDEX node_cksum_1 on node_cksum (nodeid,cksumtype,tablename,recordid);

ORACLE:
DROP INDEX node_cksum_cksum_1;
CREATE INDEX node_cksum_1 on node_cksum (nodeid,cksumtype,tablename,recordid);

PostgreSQL:
DROP INDEX node_cksum_cksum_1;
CREATE INDEX node_cksum_1 on node_cksum (nodeid,cksumtype,tablename,recordid);

以下にリリースの詳細を示します。これは最新の情報を提供し、主要なドキュメントの補足となります。

1.8.5の変更点

ネットワークマップの改善

ネットワークマップは、1.8.4のスクリーンと同様にWebインターフェース上でidだけではなく名前でも参照することができます。それに加えて、マップ名のGETパラメータに名前を指定して画面を開くことができます。例: http://zabbix/zabbix/maps.php?mapname=Drag%20and%20drop%20map20map

Zabbixパフォーマンスの監視

Zabbixのプロセスの状態を監視する新しい内部チェックアイテムを追加しました。zabbix[process,type,mode,state]アイテムを使用してZabbixサーバプロセスの直近のビジー状態またはアイドル状態の割合を監視することができます。

新しいトリガー関数

いくつかの新しいトリガー関数を追加しました: dayofmonth()は現在の月を返します、logeventid()は最後のログエントリのイベントIDが正規表現に一致するかどうかを返却します。

1.8.5に含まれるすべてのバグフィックスと改善の一覧

  • [ZBX-3672] ヒストリデータ処理中にzabbix[log]メッセージが追加された時にヒストリの同期処理がハングアップしてしまう問題を修正
  • [ZBX-3644] アプリケーション、アイテム、トリガーのAPIの権限チェックを修正
  • [ZBX-3673] トリガーと計算アイテムの条件式の演算子 & と | の処理を修正
  • [ZBX-3660] マップラベルのマクロの展開を修正
  • [ZBX-3659] APIのexists()メソッドがtrue/errorの代わりにtrue/falseを返すように変更
  • [ZBX-2997] プロキシに送信するグローバルな正規表現を追加(log、logrt、eventlogアイテムに利用するため)
  • [ZBX-1907] プロキシサーバがZabbixサーバに接続できなかった時、"Still unable to connect"というメッセージを最大1分間に1回出力するようログ出力を変更
  • [ZBX-3548] IPv4とIPv6インターフェースが個別にバインドされている場合に使用できる(定義済みの)IPV6_V6ONLYフラグを追加
  • [ZBX-3626] マップのエクスポート時に画像のデコードやアイコンが重複する問題を修正; Takanori Suzukiに感謝
  • [ZBX-3453] CPU関連の情報収集処理のパフォーマンスを改善
  • [ZBX-3610] バッファが送信されるまでアクティブチェックの処理が停止してしまうアクティブエージェントのフルバッファのバグを修正
  • [ZBX-3566] 管理->通知レポート画面のエラー修正とメディアタイプが定義されていない場合のヒントを追加
  • [ZBX-3628] 既に削除されたトリガーを含む通知メッセージ処理中にサーバがクラッシュする問題を修正
  • [ZBX-3075] 長さ0の文字列を利用した際の正規表現のバグを修正
  • [ZBX-3621] Zabbixデーモンの最大プロセス数を変更
  • [ZBXNEXT-448] 正規表現で最後のイベントIDとの一致を調べるトリガー関数logeventidを追加
  • [ZBX-1419] 旧バージョン用のデータベースアップグレードパッチの改善と修正
  • [ZBX-3576] 監視データ画面で無効なアイテムを持つトリガーが表示される問題を修正
  • [ZBX-3483] アイテムの一括更新で欠けていたフィールドを追加
  • [ZBX-3435] プロファイル変更後に時々発生していたエラーを修正
  • [ZBX-2616] バンドルしているDejaVuフォントを2.32から2.33に更新
  • [ZBX-1557] fpingが値や'-'を返却しなかった場合にエラーを返却するようprocess_pingの処理ロジックを変更
  • [ZBX-3430] アイテム設定画面で"SSH"、"Telnet"、"データベースモニタ"のアイテム種別のヒントが表示されなかった問題を修正
  • [ZBX-3578] エージェントの'-p'または'-t'オプション利用時に出力のオプションを追加。win32.cとcommon.c内のデフォルトオプションを変更
  • [ZBX-3514] logフォームのメニューから正規表現ではないトリガーを削除
  • [ZBX-3584] デフォルトでallowed_hostsに'localhost'を設定するよう修正
  • [ZBX-3568] アイテムのキーのパラメータにマクロを利用している場合に、アラート送信時のトリガー関数の処理を修正
  • [ZBX-3076] トリガー条件式内のいくつかのアイテムやホストが無効の場合にイベントを生成しないように修正
  • [ZBX-3562] マップ要素のラベルの式内のユーザマクロを修正
  • [ZBXNEXT-508] トリガー関数dayofmonthを追加
  • [ZBX-3352] スクリーンのダイナミックアイテムを有効化した場合にアイテムのY軸の最小/最大も変化するように修正
  • [ZBX-3523] 監視データ->マップ画面表示時に最後に表示していたマップが削除されていた場合ののエラーを修正
  • [ZBX-3557] Webインターフェース内の内部の配列のポインタの誤った使い方を修正
  • [ZBX-2979] トリガー関数time()のテストを修正
  • [ZBX-3563] グラフ選択ポップアップ内のホストグループのフィルタを修正
  • [ZBX-3544] ユーザログインメソッドのリセット試行を修正
  • [ZBX-3555] ssh.run[]チェック処理中にpollerがハングアップしてしまう問題を修正<
  • [ZBXNEXT-408] 内部チェックにzabbix[process,...]を追加
  • [ZBX-2262] `hosts_templates_2'インデックスを追加
  • [ZBX-3537] トリガーイベントをタイムスタンプでソートされるように修正
  • [ZBX-3472] アイテムとディスカバリルール画面でアイテムのタイプ変更した際にSSHとSNMPv3の認証フィールドを正しく表示するよう変更
  • [ZBX-3542] 設定キャッシュのデバッグ出力量を削減
  • [ZBX-3536] DNSでIPv6アドレス解決された場合にSNMPチェックができるように修正; Marc Dequènesに感謝
  • [ZBX-3541] nodata()関数の処理を修正
  • [ZBX-3126] マップやスクリーンのインポート画面で全てのチェックボックスがデフォルトOnになるように修正
  • [ZBX-3158] マップ要素メニューのリンクを改善
  • [ZBX-3532] トリガー条件式にポップアップメニューからアイテムを追加する処理を修正
  • [ZBX-1357] ネットワークマップの紛らわしい日付フォーマットを修正
  • [ZBX-3516] 設定キャッシュのインデックスからアイテムとホストが消えてしまう問題を修正
  • [ZBX-3479] スクリプトやnet.tcp.service*チェックの処理中にエージェントがハングアップしてしまう問題を修正
  • [ZBX-3514] ログトリガーウィザードを修正
  • [ZBX-3515] SNMPv3セキュリティレベルの名前を再修正
  • [ZBX-3411] ホスト変更時のトリガーフィルタの更新を修正
  • [ZBX-3431] logとeventlogまたは混在時の深刻度を修正
  • [ZBX-2913] web.page.*チェックの処理中のタイムアウトのハンドリングを修正
  • [ZBX-3176] アプリケーション画面からナビゲーションのドロップダウンを削除
  • [ZBX-3494] キューの計算にデータベース監視アイテムを追加
  • [ZBX-3454] トリガーウィザードを利用して編集したアイテムのクリア処理を修正
  • [ZBX-3481] アプリケーションの一括追加処理を修正
  • [ZBX-3480] ORACLEサーバのシャットダウン後にサーバがクラッシュする問題を修正
  • [ZBX-3457] トリガーウィザードで26エントリを超えた場合はダブルシンボルの参照を利用
  • [ZBX-983] トリガー更新時のエラーを修正
  • [ZBX-974] pngcrushを利用していくつかの画像を再圧縮
  • [ZBX-3446] 外部スクリプトのタイムアウト処理を追加しpollerのハングアップがハングアップする問題を修正
  • [ZBX-1690] 既に存在している名前のアクションを作成した場合にインデックスが定義されない問題を修正
  • [ZBX-3461] デバッグ出力のIPMI pollerの名前、およびそれらが取得するアイテム数を修正
  • [ZBX-3100] プロキシまたはディスカバリチェックが定義されていない場合のポップアップのメッセージを修正
  • [ZBX-3138] アプリケーションを無効にするとWebアイテムも無効になるバグを修正
  • [ZBX-2951] トラッパーアイテムの更新間隔を表示しないように修正
  • [ZBX-2867] 設定メニュー内の"ディスカバリ"と"ITサービス"の順序を変更
  • [ZBX-3460] IPMIが有効にも関わらずIPMIアドレスが設定されていないホストの保存を禁止
  • [ZBX-3047] トリガー条件式のZapcatとの互換性を修正
  • [ZBX-2912] 受信したデータのUTF-8文字列の正当性チェックを追加
  • [ZBX-1346] ユーザパラメータのサンプルを追加
  • [ZBX-2922] いくつかのログメッセージを警告レベルからデバッグレベルに変更
  • [ZBX-3440] スライドとディスカバリ設定に改ページを追加
  • [ZBX-3433] 削除されたパッシブプロキシのキューをキューから削除するように修正
  • [ZBX-416] PostgreSQLで分散監視を利用した際にsenderモジュールの設定で発生していたエラーを修正
  • [ZBX-3346] 必要以上の頻度でポーリング処理を行っていたアイテムを修正
  • [ZBX-3409] セマフォと共有メモリのアクセス権限を修正
  • [ZBX-3173] サーバサイドのJSONパーサが適切に空白を無視するように修正
  • [ZBX-3425] ブラジル系ポルトガル語の翻訳を更新; Murilo Moreira de Oliveiraに感謝
  • [ZBX-3403] 自動登録とディスカバリ処理のSQL文を修正
  • [ZBX-3403] インデックスautoreg_host_1のユニーク制約を削除
  • [ZBX-3414] Webアイテムのトリガー条件式がトリガーウィザード内でエラーとしてマークされていた問題を修正
  • [ZBX-3406] APIのvalidationを改善
  • [ZBX-3413] SQLのLIKE文で利用するパラメータのエスケープ処理を追加
  • [ZBX-3391] 文字列に対して誤った比較演算子を利用していた問題を修正
  • [ZBX-1346] LogSlowQueriesの設定パラメータの説明を修正
  • [ZBXNEXT-612] 監視データ->マップ画面にマップ名で指定できるURLパラメータを追加
  • [ZBX-886] 重複した翻訳文字列を削除
  • [ZBX-3384] PostgreSQL利用時に分散監視のセットアップでサーバがクラッシュする問題を修正
  • [ZBX-3274] サーバやプロキシの起動中に発生していたSQLite3セマフォエラーを修正
  • [ZBXNEXT-614] スロバキア語翻訳を追加; Marcel Heckoに感謝
  • [ZBX-2914] Ubuntu用upstartファイルを追加; S. Canchonに感謝
  • [ZBX-3381] データ型が"数値(浮動小数)"のアイテムで負の乗数を利用できるように修正
  • [ZBX-1357,ZBX-3462] 日本語翻訳を更新; Kodai Terashimaに感謝
  • [ZBX-3385] 監査ログのトリガー状態変更レコードを修正
  • [ZBX-2825] プロファイル設定画面で保存またはキャンセルをした場合に最後にアクセスしたページにリダイレクトするように修正
  • [ZBX-3383] マクロやテンプレートでフィルタリングされている時の監査ログのエラーを修正
  • [ZBX-3378] ロシア語翻訳を更新; dotneftとzalex_uaに感謝
  • [ZBX-3350] 軽微なWebインターフェイスのバグの修正と64文字を超えるホスト名の利用を禁止
  • [ZBX-3341] 値のマッピングをエクスポートできるようホストのエクスポートを修正
  • [ZBX-3338] ウクライナ語の翻訳を更新; zalex_uaに感謝
  • [ZBX-954] 微細な誤字を修正
  • [ZBX-1419] 孤立したホストが無い場合はアップグレード時に情報メッセージを表示しないように修正

インストールとアップグレード方法

インストール

詳細はZABBIXマニュアルを参照してください。

アップグレード

ZabbixバイナリのリコンパイルとWebインターフェースのPHPファイルのアップデートが必要です。Zabbix 1.6.xからマイグレーションする場合はデータベースのパッチ適用を行ってください。詳細なアップグレード手順はZABBIXマニュアルを参照してください。

リリース前のテスト

Zabbixサーバ

Zabbixサーバは以下のプラットフォームでテストを行っています。

  • Ubuntu Linux, x64, kernel 2.6.11, MySQL 5.x
  • Ubuntu Linux, x64, kernel 2.6.15, MySQL 5.0.22, PostgreSQL 8.3
  • RedHat EL 5.3, x64, kernel 2.6.18, Oracle 11gR2
  • Slackware Linux, x86, kernel 2.6.29.6, MySQL 5.1.x

Zabbixエージェント

Zabbixエージェントは以下のプラットフォームでコンパイルとテストを行っています。

  • AIX 5.2, 5.3, 6.1
  • FreeBSD 4.x, 5.x, 6.x, 7.x, 8.x
  • HP-UX 10.x, 11.x
  • Linux 2.4.x, 2.6.x
  • NetBSD 5.0
  • OpenBSD 4.7
  • OS/X 10.5
  • Solaris 8, 9, 10
  • Tru64 5.1B
  • Windows 2000, XP, 2003, Vista, 2008

一部のプラットフォームとバージョンに限られますが、コンパイル済みのエージェントをhttp://www.zabbix.com/download.phpからダウンロードすることができます。

商用サポート、トレーニング、スポンサー開発

Zabbix SIAはプロフェッショナルサービスを全面的に提供しています。また、私たちはトラブルフリーで簡単にZabbix 1.8以前のバージョンから移行するためのアップグレードサービスも提供しています。価格やより詳細な情報については営業までお問い合わせください。

参考


このリリースノートの翻訳は以下の方々の協力により翻訳されました。

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