Zabbix 4.0.0リリース
Zabbix 4.0.0がリリースされました。
今回はメジャーバージョンアップとなるバージョンです。
さらに、LTSでもあるので、より長いサポート期間が提供されるバージョンとなっています。
主な新機能は以下の通りです。
- アイテムの「監視データ取得」ボタンを追加
- 新しいHTTPアイテムの追加
- SVGグラフウィジェットの追加
- 時間範囲指定の簡略化
- アイテムのプロトタイプを通常アイテムの依存アイテムとして設定可
- アイテム保存処理内でのLLDマクロ使用
- Zabbixエージェントによる自動登録をよりフレキシブルに
- MySQL 8.0をサポート
- プロキシの接続をよりセキュアに
- Zabbixサーバーとプロキシ間の通信を圧縮
- 障害の深刻度を変更可能に
- 単位変換の柔軟化
- メディアのEmailの1つの設定で複数宛先指定可
- イベント、値、トレンドのリアルタイムエクスポート
- タグベースの権限設定
- logrt[]でcopytruncateモードでのログファイルローテーションに対応
- 閲覧(キオスク)モードの追加
- DNS名の長さを63から255に拡張
最初に挙げた「監視データ取得」ボタンを追加に関しては、アイテムの設定画面上にこのボタンが用意されて、このボタンを押すことですぐにそのアイテムの値を取得するよう指示を出すことができます。アイテムの登録後や障害回復後に、次のアイテムの値取得のタイミングまで待つことが不要となりました。
アイテムの値取得だけではなく、ディスカバリルールに対してもすぐに取得させることができるので、ディスカバリルールとしてデフォルトで1時間と設定していたとしても、デバイス追加後などにすぐにディスカバリ処理を実行させることができるわけです。
HTTPアイテムに関しては、通常のアイテムとしてWebサービスを呼び出すことができるので、3.4で実装されたアイテムの保存前処理と組み合わせて、例えば、JSON形式で得られた応答から、必要な値のみ切り出してアイテムの値とすることができるようになりました。
SVGグラフウィジェットは、ダッシュボードに配置できるウィジェットの1つなのですが、SVGを利用して複数のグラフを重ねたり、トリガーの状態表示を組み合わせたり、マウスのポインティングによって、それぞれのアイテムの値を確認できるなど、Grafanaなどと組み合わせなければ実現できなかったようなことがZabbixの標準の機能として実装されました。
単位変換の柔軟化に関しては、例えばセンサーなどから受信した気圧の値をグラフ表示する場合、これまでのZabbixでは、1000を勝手にKとかに変換されて、実感しにくい数値の表示になってしまっていたと思います。これに対応するために、一部のPHPを変更して対応されていた方もいらっしゃると思います。今回の機能追加によって、勝手にKなどの変換をしないようにWebブラウザから設定することができるようになりました。、
あとは、タグを利用した制御が色々と追加されているので、より柔軟な監視設定ができるようになったと思います。
個人的には、DNS名の長さが拡張されたのもよかったと思っています。
リリースの詳細な情報はリリースノートやマニュアルなどをご参照ください。
ダウンロードは以下のURLから行うことができます。