ZABBIX 1.6.3リリースノート翻訳
ZABBIX SIAはZABBIX 1.6.3のリリースをアナウンスすることを光栄に思います。
ZABBIXはオープンソースで配布されるエンタープライズモニタリングソリューションです。ZABBIXはGPLライセンスの元で配布されているため、商用、非商用問わず無償で利用することができます。ライセンスの詳細については、http://www.gnu.org/copyleft/gpl.txtを参照してください。
このリリースはZABBIX 1.6、1.6.1、1.6.2からアップグレードすることを強く推奨します。
このドキュメントはZABBIX 1.6.3のリリースノートを含みます。
以下にリリースの詳細を示します。これは最新の情報を提供し、主要なドキュメントの補足となります。
重要
ZABBIX Webインターフェースのパフォーマンス改善のためにサーバ上で次のインデックスを作成することを推奨します。
CREATE UNIQUE INDEX history_log_2 on history_log (itemid,id);
CREATE UNIQUE INDEX history_text_2 on history_text (itemid,id);
CREATE INDEX graphs_items_2 on graphs_items (graphid);
ZABBIX 1.6.3の変更点
ダイナミックメニュー
他の画面に簡単に切り替えられるようにメインメニューをダイナミック化しました。
新しく利用できるチェック機能
FreeBSDにアイテムvfs.dev.read/writeを追加。また、Solarisのアイテムsystem.cpu.utilに
ダイナミックSNMPインデックスの大幅な速度改善
ダイナミックSNMPのキャッシュ機能を追加しました。これにより複雑なSNMPチェックの実行速度が大幅に改善されています。この開発はオランダのISPである XS4ALL の協力によって行われました。
デフォルトのドロップダウンの動作の柔軟な設定
include/defines.inc.phpファイルの新しい定義ZBX_DROPDOWN_FIRST_ENTRYとZBX_DROPDOWN_FIRST_REMEMBERによってデフォルトで選択されるドロップダウンの項目とZABBIX Webインターフェースが過去に選択した項目を記憶するかどうかを設定することができます。この設定は大規模な環境でZABBIXを使用している際に非常に有用です。
その他の改善とバグフィックス
- アイテムテンプレートのアップデートを改善
- str、regexp、iregexp関数がテキスト型のアイテムに対応
- エージェントのログの「Cannot open Json object」メッセージをより良いものに変更
- エクスポートしたXMLの末尾に空白行を追加
- グラフで現在の値を表示する際に、最終時刻付近に「>>」の文字を表示
- イベント期間の単位の月を週に修正。GUIの小さな表記間違いを修正。
- 分散モニタリング: 最終チェックと最終値フィールドのアップデートを追加
- 「not supported」状態のアイテムの履歴データを表示可能
- 依存されるトリガーのホスト名を追加
- デフォルトの自動ログアウト時間を900に設定
- ログとテキスト型アイテムの処理パフォーマンスを改善
- エラーが発生した際にデフォルトで詳細ボックスが開くように変更
- エージェントのキー「vfs.fs.size」の動作を「df」コマンドのように改善
- インターフェース上のエンティティ数を追加
- グラフ画面のクエリを改善
- 設定パラメータStartAgentsの目的の明確化
- デフォルトのユーザグループ「Disabled」の追加
- カバリ通知の{ESC.HISTORY}マクロを改善
- トリガーコピーメッセージのために詳細ボックスを拡張
- 「ZABBIXサーバの状態」画面のアイテムとトリガーのパラメータ数にツールチップを追加
- 監視不可のホストのための非エージェント監視の処理を許可
- ポーランド語を追加
- インデックスの欠如によるグラフ関連の画面のパフォーマンスを修正
- 最も多く障害が発生しているトリガーのレポートにおいて月表示を数秒で表示するように修正
- 2つのデータベースインデックスを追加し、string関数のパフォーマンスの悪さを改善
- proc_infoの第3パラメータに間違った値を使用した場合にWindowsエージェントがクラッシュする問題を修正
- Win2008上のproc.numの処理中のメモリリークを修正
- プロキシによるテキストデータ処理におけるデータ消失を修正
- データベースを1.6.xにアップグレードした際にアクションが消失する問題を修正
- 有効なトリガーが存在しない場合に「システムの状態」のセルの色を修正
- ホストの一括更新の「新規グループ作成」と「プロファイルを使用」を修正
- オートディスカバリで発見されたホストに対するグラフの追加の問題を修正
- プロファイルで自動ログインを有効化した際のSQLエラーを修正
- PostgreSQLを使用している場合にログイン画面のSQLエラーの表記間違いを修正
- 分散モニタリング: PosrgeSQL関連の問題を修正
- 分散モニタリング: デッドロックの問題を修正
- アクションのリモートコマンド処理におけるサーバのメモリリークを修正
- トリガーのコメントを削除する際のエラーを修正
- グラフの削除にいける定義されていない引数の問題を修正
- 無効状態の自動ログアウトの表示を変更
- グラフのインポート形式にホスト名を追加
- ファイルのインポート失敗時に正確なエラーメッセージを表示
- フロントエンドとバックエンドが異なるサーバ上にある場合のZABBIXサーバのステータスを修正
- スクリーンの時刻をサーバ時間に修正するとローカル時間が表示される問題を修正
- 最小の自動ログアウトの値を90秒に修正
- 間違った積算グラフの描画を修正
- テンプレートリンクが正しく動作しない問題を修正
- net.tcp.listenの誤った処理を修正
- pingなど小さなポップアップメニュー使用時の「無効なURL」を修正
- ユーザグループにユーザ追加時の「無効なURL」を修正
- Solaris 2.5、2.6上のエージェントによる「Too many open files」の問題を修正
- テンプレートのトリガーで「no status update」が表示される問題を修正
- zabbix_serverで-nパラメータを使用した際の既存のデータの処理を修正
- Webインターフェースのインストール中の「Undefined index error」を修正
- 監査ログのフィルタを修正
- いくつかのアイテムからなるトリガーの条件式において{ITEM.LASTVALUE}の評価を修正
- 監査ログの誤ったアクションのカウントを修正
- Webのグラフの期間のリセットを修正
- eventlog[]処理中にWindowsエージェントがクラッシュする可能性がある問題を修正
- ユーザグループに権限を追加する際の間違ったURLを修正
- configure.inファイルのいくつかのエラーメッセージをより分かりやすく修正
- misc/conf/zabbix_server.confのいくつかの表記間違いを修正
- test/env/standalone/conf/template_server.confのいくつかの表記間違いを修正
- 4文字長のアイテムのキーの処理を修正
- 「最新の20件の障害」のトリガー詳細の項目をトリガーパラメータで定義したURLへリンクするように修正し、マイナーな表記間違いを修正
- SNMP関連のコンパイル時にいくつかのプラットフォームで「localname」が定義されない問題を修正
- Webのグラフの開始時間が変更できない問題を修正
- 設定ファイルのincludeディレクティブの再帰読込みを修正
- マイナーなGUIのテキストエラーを修正
- グラフアイテムの編集フォームの誤った見出しを修正
- デフォルトの設定ですべてのテンプレートをTemplatesグループにリンク
- ヒストリのサブメニューからヒストリを選択した際の「無効なURL」を修正
- 「秒あたりの値」の小数点以下の桁数が多すぎる問題を修正
- インポート後のホストグループに重複したエントリが存在する問題を修正
- グラフのエクスポートを改善
- アイテムの標準/拡張フィルタの切替を改善
- アイテムのフィルタでホストグループを使用した際のSQLエラーを修正
- マップの設定項目のバリデーションを修正
- グラフ更新時の監査ログ記録を「追加」から「更新」に修正
- 通知に{TRIGGER.NAME}を使用した場合にサーバがクラッシュする可能性がある問題を修正
- PostgreSQL使用時に文字列データが許容範囲を超えた場合のエラーを修正
- {HOSTNAME}マクロを使用しているトリガーのインポートを修正
- zabbix_senderの-cパラメータの処理を修正Jakov Sosicに感謝
- SNMP接続のタイムアウト処理を修正
- トリガー評価に失敗した場合のメモリリークを修正
- イベント詳細のリカバリメッセージから「Step」フィールドを削除
- HTTP認証を有効にしてページを表示している際のログインを修正
- HTTP pollerのデフォルト数を1に設定
- 複数ホストの削除のSQLの問題を修正
- サーバ再起動後の「nodata」関数の間違った動作を修正
- サーバのログからnet-snmpデバッグメッセージを削除
- ユーザパラメータのコマンドにクォーテーションマークを使用した場合の問題を修正
- dbcacheモジュールのデッドロックを修正
- メニューキャッシュの定義を追加
- 最新データ画面の自動更新によってフィルタ表示が無効になってしまう問題を修正
- ワーニング「zbx_malloc: allocating already allocated memory in json.c」を修正
- Webインターフェースの脆弱性を修正
インストールとアップグレード方法
インストール
詳細はZABBIXマニュアルを参照してください。
アップグレード
ZABBIXのバイナリのリコンパイルとフロントエンドPHPファイルのアップデートを行う必要があります。データベースへのパッチ適用を行う必要はありません。詳細なアップグレード手順はZABBIXマニュアルを参照してください。エージェントのアップグレードを推奨しますが、必須ではありません。
リリース前のテスト
ZABBIXサーバ
ZABBIXサーバは以下のプラットフォームでテストを行っています。
- Ubuntu Linux, AMD64, kernel 2.6.11, MySQL 4.x
- Ubuntu Linux, Intel, kernel 2.6.15, MySQL 5.0.22
ZABBIXエージェント
ZABBIXエージェントは以下のプラットフォームでコンパイルとテストを行っています。
- AIX 5.2
- FreeBSD 4.x, 5.x, 6.x
- HP-UX 10.x, 11.x
- Linux 2.4.x, 2.6.x
- Linux CentOS
- NetBSD 2.0
- OS/X 10.2
- Solaris 8, 9, 10
- Tru64 5.1B
- Windows XP, 2000, 2003, 2008, Vista
一部のプラットフォームとバージョンに限られますが、コンパイル済みのエージェントをhttp://www.zabbix.com/download.phpからダウンロードすることができます。
商用サポート
ZABBIX SIAはプロフェッショナルサービスを全面的に提供しています。価格やより詳細な情報については営業までお問い合わせください。
参考
- ZABBIX 1.6マニュアル
- ZABBIXフォーラム (http://www.zabbix.com/forum)
- ZABBIXサポート (http://www.zabbix.com/support.php)
このリリースノートは以下の方々のご協力により翻訳されました。
- 寺島 広大
- 伊藤 一生
- 半澤 雄二郎
- 森本 哲也