Zabbix 1.9.5リリースノート翻訳

2011年7月26日

Zabbix SIAはZabbix 1.9.5 (Zabbix 2.0の6番目のアルファリリース)のリリースをアナウンスすることを光栄に思います。

Zabbixはオープンソースで配布されるエンタープライズモニタリングソリューションです。ZabbixはGPLライセンスの元で配布されているため、商用、非商用問わず無償で利用することができます。ライセンスの詳細については、http://www.gnu.org/copyleft/gpl.txtを参照してください。

このドキュメントはZabbix 1.9.5のリリースノートを含みます。ダウンロードはこちらから行えます。 http://www.zabbix.com/download.php

このリリースではいくつかの改善と大きな機能追加が含まれます。

このリリースは正式バージョンではありません。初期のアルファリリースです。

まだすべての機能は実装されておらず、2.0バージョンで予定している機能のすべてが含まれているわけではありません。

以下にリリースの詳細を示します。これは最新の情報を提供し、主要なドキュメントの補足となります。

パフォーマンスの改善

データベースのリクエスト数を削減するためにトリガー関連のデータがキャッシュされます。これによりZabbixサーバの全体的なパフォーマンスが向上します。

ホストプロファイルデータの自動収集

ハードウェアとソフトウェアの詳細情報をエージェントから自動的に収集し、ユーザが定義したパラメータを利用して拡張することができます。

オートディスカバリの強化

HTTPSとTelnetのチェックによるディスカバリを追加し、ディスカバリ設定フォームを見直しました。

ホストとテンプレートの表示名を追加

通常のホスト名に加えて、Webインターフェースで表示するために利用できる表示名を設定することができます。表示名を利用するマクロも追加しています。

リモートコマンドの拡張オプション

(エージェント、IPMI、SSHを利用した)リモートコマンドをより簡単かつ柔軟に設定することができます。

リモートJMX監視

ZabbixのJMX監視は、JavaアプリケーションやJBoss、WehSphere、WebLogicなどの一般的なミドルウェアのネイティブで安全なリモート監視を行うことができます。

Booleanデータ型

Booleanデータ型は、2つの状態を持つものとJMXカウンタの監視に使用できます。

新しいアイコンセット

新しいアイコンセットにより見栄えの良いマップを作成することができます。

新しいマクロのサポート

トリガー名に、{IPADDRESS}、{HOST.DNS}、{HOST.CONN}のマクロを利用することができます。

ホストプロファイルの結合

標準および拡張のホストプロファイルを統合しました。全てのプロファイルのフィールドを参照するためのマクロを追加しました。

複数のネットワークインターフェース

1つのホストに複数のネットワークインターフェイスを割り当てることができます。これによりそれぞれのIPアドレスに対して異なるチェックを行うことが可能です。

Webインターフェースのより良い翻訳フレームワーク

ZabbixのWebインターフェイスの翻訳にGNU gettextモジュールを利用しました。

パッシブチェックによる自動登録

パッシブチェックによる監視対象ホストの自動登録機能を追加しました。クラウド環境を監視のために非常に便利に使うことができます。

不明なイベントとトリガーの再設計

ZabbixのWebインターフェイスで不明なトリガーとイベントが表示されなくなります。トリガーやイベントの状態について確信が無い場合は特別なフラグが表示されます。

ローレベルディスカバリ

手動で設定を行わなくても、Zabbixはファイルシステムやネットワークインターフェース、SNMPインターフェースを自動的に検知します。ひとつのテンプレートを、異なるデバイスが接続された複数のホストに利用することができます。

グラフの凡例オプション

グラフの凡例をオプションで無効にすることができます。

ホストレベルのスクリーンのテンプレート化

テンプレートにスクリーン設定を含めることができ、メンテナンスが容易になります。[監視データ]→[ホスト]画面でスクリーンを表示することができます。まだフォームは完全に実装できていません。

データベースの完全性

データベースのスキーマを大幅に改善し、一貫性、設定とヒストリデータのセキュリティを向上しました。

ヒストリデータにナノ秒を使用

ヒストリデータにナノ秒単位で時間を保存することができます。1.8.xからマイグレーションを行った場合、このオプションはデフォルトで無効になります。新規でセットアップを行った場合に有効になります。

マップの要素に複数のURLを設定可能

マップの要素に複数の外部URLリンクを設定することができます。

ZabbixエージェントやIPMIベースのコマンドのユーザスクリプトのサポート

ZabbixやIPMIのエージェントを利用して監視しているサーバ上で任意のコマンドを実行するためにユーザスクリプトを利用することができます。

トリガー重要度のカスタマイズ

Zabbix Webインターフェースから標準のトリガーの重要度の表示を別の名前や色にカスタマイズすることができます。

新しいログイン画面

ログイン画面を再設計し見た目を改善しました。

アクション設定の新しいフォーム

新しいフォームでは一般的なパラメータ、条件やアクションが明確に分離されています。

マップの高度なラベル設定

マップレベルで異なるタイプのマップアイコンごとにラベルのフォーマットを設定することができます。

マップグリッドオプションの保存

Zabbix Webインターフェースは、それぞれのマップごとにグリッドオプションを保存することができます。マップのインポート/エクスポートが新しいグリッド関連の属性をサポートするように拡張しました。

ディスカバリで自動検出されたデバイスのDNS名の自動補完

Zabbixは新規に自動検出され自動登録されたデバイスに対してDNS名を自動的に入力します。

イベントのCSVエクスポート

Zabbix Webインターフェースで表示できるイベントをマウスクリックでCSVファイルにエクスポートできます。

サーバ側のSQLite3サポート

ZabbixサーバやZabbix WebインターフェースでSQLite3を利用できます。組み込み環境や低スペックのハードウェアに役に立つかもしれません。

Zabbix APIの高度なフィルタリングのサポート

2つの新しいオプション(ALL, ANY)はAPIレベルでのフィルタリング制御に利用できます。

マップのホスト領域機能

マップ上の領域にホストグループに所属するすべてのホストを表示することができます。

インストールとアップグレード方法

インストール

詳細はZABBIXマニュアルを参照してください。

アップグレード

ZabbixバイナリのリコンパイルとWebインターフェースのPHPファイルのアップデートが必要です。Zabbix 1.8.xからマイグレーションする場合はデータベースのパッチ適用を行ってください。詳細なアップグレード手順はZABBIXマニュアルを参照してください。

リリース前のテスト

Zabbixサーバ

Zabbixサーバは以下のプラットフォームでテストを行っています。

  • Ubuntu Linux, AMD64, kernel 2.6.11, MySQL 5.x
  • Ubuntu Linux, Intel, kernel 2.6.15, MySQL 5.0.22, PostgreSQL 8.3
  • RedHat EL 5.3, Intel, kernel 2.6.18, Oracle 11gR2
  • Slackware Linux, x86, kernel 2.6.29.6, MySQL 5.1.x

Zabbixエージェント

Zabbixエージェントは以下のプラットフォームでコンパイルとテストを行っています。

  • AIX 5.2
  • FreeBSD 4.x, 5.x, 6.x
  • HP-UX 10.x, 11.x
  • Linux 2.4.x, 2.6.x
  • Linux CentOS
  • NetBSD 2.0
  • OS/X 10.2
  • Solaris 8, 9, 10
  • Tru64 5.1B
  • Windows XP, 2000, 2003, 2008, Vista

一部のプラットフォームとバージョンに限られますが、コンパイル済みのエージェントをhttp://www.zabbix.com/download.phpからダウンロードすることができます。

商用サポート

Zabbix SIAはプロフェッショナルサービスを全面的に提供しています。また、私たちはトラブルフリーで簡単にZabbix 1.8以前のバージョンから移行するためのアップグレードサービスも提供しています。価格やより詳細な情報については営業までお問い合わせください。

参考


このリリースノートの翻訳は以下の方々の協力により翻訳されました。

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